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学校法人中央大学の法実務カウンセル(インハウスロイヤー)として,中央大学の学内法務全般を担当して7年になる,新宿・青梅・あきる野の弁護士法人アズバーズ,代表弁護士の櫻井俊宏です。

このインハウスロイヤーというのはどのようなものか,先日お話した雇用と業務委託の違いに関連して説明したいと思います。

1 顧問弁護士とは?

これを話す前に,まずみなさんは「顧問弁護士」というものを知っていますでしょうか?
顧問弁護士とは,1ヶ月ごとに顧問料という対価を受け,相談や書類チェック等をその顧問料の範囲内で行う弁護士の契約体系です。
通常企業とこの契約をすることが多いですが,この「顧問企業」の件は,他の件よりも優先した緊急の対応をするのが通常であると思います。

この顧問契約というのは,雇用ではなく,「委任」か「業務委託」,又はそれに類似する無名の特殊な契約と言えます。
先日のお話からすると,弁護士の側には時間的・場所的な拘束もなく,報酬として対価をいただくからです。

【参考】「コロナで休業の場合,業務委託と雇用とどのように対応方法が変わるか」へ

2 インハウスロイヤーとは?

これに対し,一般に,このインハウスロイヤーとは,正に雇用契約で弁護士を雇う場合のことを言います。

会社内に弁護士を雇い,法務部等で法務を担当してもらうわけです。
なお,公共団体に所属する場合は一般的に「任期付公務員」といいます。

もともと少なかったのですが,日本の弁護士が急増したことから,アメリカ等を見習って増えてきました。
どうも10年で10倍ぐらいに増えたようです。

外部にいる顧問弁護士にわざわざ会わなくても良い,会社内にいつもいるので,会社内のことを理解してもらっているベースがある状態で法律の相談ができるというメリットがあります。
ただ,雇用契約なので,身分保障がある程度あり,契約を終了しにくいということはデメリットといえるでしょう。

正直なところを言うと,雇用契約という契約は上述のように,契約を終了させにくい,特に日本の場合はそうであるということがあります。
ですので,リモートの業務が進むのとあいまって,社会全体としては,いわゆる「外注」の業務委託契約が増えてくるのではないかと思っています。
ですが,このインハウスロイヤーはその流れと逆行しているところは不思議ですね。

3 インハウスロイヤーの実態

私自身の例で,インハウスロイヤ-の業務実態を少しお話します。

私は,(コロナ前ですが)週2,3回程度,中央大学の本部である多摩キャンパスに9時~17時まで出勤しております。
部署は大学内の法務を司っている総務部又は学事部というところです。
大学内の各部署で法律の問題があると,教員・職員から私のところに相談があります。

その内容は,外部との契約関係,労働問題,知的財産権の問題,学費等の問題,クレーム対応法,学生の問題,規程の作成補助等,多岐に渡ります。

基本的には外部との交渉や裁判等は業務外ですが,これらをお任せいただくこともあります。

単年契約です。
給与は,職員の方々とそれほど変わりません。

「法実務カウンセル」と呼称していただいております。

一般的なインハウスロイヤーは,平日常勤が多いと思います。
また,裁判等も任される会社も多いのではないでしょうか。

4 まとめ

顧問弁護士もインハウスロイヤーも両方やっている立場からすると,やはり学内の人に顔を知ってもらっており,気軽に相談していただけること,学内のことを徐々に知ることができるので,改善点等が見えてくるインハウスロイヤーのメリットは大きいと思います。

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