瑛人の「香水」はドルチェ&ガッバーナの商標権侵害とはならないか【知的財産権問題】

法律時事問題を考察
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中央大学内の知的財産権問題を全般的に取り扱っている,弁護士法人アズバーズ代表弁護士の櫻井俊宏です。

今日,twitter友達の「安吾」さんから,瑛人という歌手の「香水」という曲に関し,次のような質問をいただきました。

1 歌詞に使われるのは商標権侵害となるのか?

本件では,「ドルチェ&ガッバーナ」という名前が「香水」という歌の歌詞に使われています(歌の題名には使われておりません。)。

一般に、例えばAの商標権侵害は、Bの商品の名前等に類似した言葉が使われている場合に発生します。
このようなときに、Aの顧客を引き寄せる力をBが使っていると言えるからです。

しかし、曲の歌詞は、その商品の内容に過ぎないため、商標権侵害とはならないようです。
これは、曲のタイトルですら商標権侵害とならないようです。

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アルバム曲のタイトルについて商標権が登録されているものに類似した言葉を使っても商標権侵害とならない事案として、東京地裁平成7年7月22日裁判例があります。

なお、著作権侵害はどうでしょう?
著作権は、言語の著作権の場合、一応作品と言えるような「創作性」が要求されます。
俳句等でも高度なものは著作権がある場合もありますが、ドルチェ&ガッバーナという「名前」だけでは著作権が成立しないのが通常です。

2 商標権は商品の分野について登録される

商標権は「区分」という、その商品の分野について登録されます。分野は数十種類あり、番号がふられています。
例えば、15であれば「楽器、演奏補助品、音さ」という感じです。
最初はある言葉について広い分野には認められず、徐々に新たに申請して、分野を増やしていく場合もあります。

今回の件で「歌詞に使われる場合」という点は別にしても「ドルチェ&ガッバーナ」が、「CD」の区分についても商標をとれているかも問題になりうるということになります。

特許情報プラットフォームというページで試しに検索してみるといいでしょう。

特許情報プラットフォーム

まとめ

瑛人さんの「香水」は、確かに「ドルチェ&ガッバーナ」という良い品質の香水の名前を歌詞で使うことによって、歌のイメージが向上しているように感じます。
歌詞で使った場合は商標権が全く問題にならないというのは、なんとなく違和感もありますね。
今後、歌詞に商品名を使うことを制限する法律はできるのでしょうか。注目です。
(2021.11.1内容更新)

 

*弁護士法人アズバーズ代表弁護士櫻井俊宏がYouTube幻冬舎ゴールドオンラインチャンネルにおいて著作権等について解説しております。

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櫻井 俊宏

櫻井 俊宏

「弁護士法人アズバーズ」新宿事務所・青梅事務所の代表弁護士。 中央大学の法務実務カウンセルに就任し7年目を迎える。

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