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漫画・アニメも大好き,新宿・青梅・三郷の弁護士法人アズバーズ,代表弁護士の櫻井俊宏です。

「鬼滅の刃」のアニメ制作会社である「Ufotable(ユーフォ―テーブル)」の社長が,1億円の脱税について告発を受けたそうですね。

1巻辺りの売れ行きでは,あのワンピースをしのぐ勢いで単行本が売れていた鬼滅の刃の作成会社ということでなんともセンセーショナルです。

「鬼滅の刃」はアニメが爆発的にヒットする前からコミックスで読み進めていました。
今後,評判が高いクライマックスを見ていくことになるのに,なんだか残念です(加えて言うなら,マコなり社長のおススメでユーフォ―テーブルの作成した「Fate」も観ようと思っていたので更に残念です。)。

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ん?ここで私が残念と思うということは,他にもそのような人がものすごい数,いるのではないでしょうか?
とすると,アニメの制作会社が,鬼滅の刃の原作の評判を貶めたと言えなくもありません。
これについて,例えば漫画の原作者から損害賠償請求等できる可能性があるのではないでしょうか?

今後この事件について,社長は有罪となるのか等も含めて,法的にお話したいと思います。

1 脱税の量刑は?

脱税の法定刑は,10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金,または懲役と罰金両方課されることもあります(所得税法238条1項,法人税法159条1項)。
故意犯,すなわち,わかっていながらやったという故意の認識が必要です。

今回は,ユーフォ―テーブルの社長も,言い訳をすることなく公の場で謝罪しているのですから,故意はあると認定されやすいのでしょう。

2 有罪となるのか?

犯罪が成立するとしても,起訴されなければ有罪とはなりません。
過去の例からすると,1億円を超えるかどうかで起訴までされる率が変わってくるようです。例えば,

・野村沙知代さんの場合  約2億1000万円の脱税 → 懲役2年執行猶予4年&罰金2100万円
・青汁王子の場合 約1億8000万円の脱税 → 懲役2年執行猶予4年&罰金4600万円

だそうで,今回のケースが1億3900万円の脱税であったことからすると,かなり近い事案と言えます。
なお,いずれも修正申告はされていたが,有罪となりました。

起訴されて有罪になる可能性は高そうですね。

3 賠償請求が認められるのか?

これについては,アニメ化に関する契約書において,例えば,
「原作の評判を堕とすような違法な行為等を行った場合は(○○円の)損害賠償を請求できる。」
といった契約内容があるようであれば,賠償請求を行うことはできるでしょう。

例えば,芸能人のCM契約等ではこのような文言が入っていることがあります。

契約書にこのような文言がない場合は,不法行為(民法709条)等の法律の要件を満たすことが必要になってきます。
脱税ということは不法行為であるので,売上の減少等が立証できるようであれば,後は,
「この脱税行為によって,売上が減少した」
という「因果関係」が一番問題になってくると思います。

4 まとめ

このスーパーヒットのタイミングで告発があったことは,なんとなく不穏な存在がちらつくような気もしますが,いずれにしろ,脱税は違法です。
売れているときこそ気をつけましょう!

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