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小麦アレルギーが見つかって意気消沈待ったなしの弁護士の菊川です。
パンと麺食べられないのつらい。厳密に言えばフライや唐揚げ,醤油もダメなんですよ。嘘でしょ?


でも食べなければ実際体の調子いいんです・・皆さんも長期的になんとなく不調感じるときはアレルギーチェック受けられるといいかもしれません。意外なアレルギー見つかるかもしれませんからね。

表現の自由と「やじ」

さて,最近,表現の不自由展やら,「やじ」の自由などを通じ,これに対する市長ら権力者側の対応・応答に問題があることが取り沙汰されていますね。

表現の自由とは,「表現を国家等によって規制されず表明することができること」を指すと言えます。

ではどのような表現も規制されずに許されるのか?そうではありません。

すべての人権は,他の人権との衝突の危険性がありますから,そこの調整は必須です。要するに,規制すべき相当の理由のある表現は規制されることがある,または規制されるべきである,ということになります。例えば露骨な性的表現や,不当な差別的表現(ヘイトスピーチなど)がそれですね。

ただし,表現の自由に対する規制は,かなり制限的にされなければなりません。
時の内閣や為政者(民主主義では本来は国民を指しますが,ここでは主として国会議員を言うことにします)が気に食わない表現を容易に規制することができてしまうと(政治批判をしたら逮捕など)もはやディストピア的様相を呈する独裁政治です。究極的には国家の奴隷になることを意味します。

そもそも,表現の自由は,為政者(多数派)による反対派(少数派)の弾圧を許さないとする思想から生まれています。
つまり,表現の自由は,その根幹が「政治的表現の自由」なのです。極論すれば,その他の表現の自由は,派生的自由にすぎない,とすら言えるかもしれません(極論ですが)。

政治的表現は,原則として規制されてはいけません。これを規制することが許されるのは,表現内容を問題とせず,その表現「行為のみ」を問題とし,その行為自体で危害が発生する(具体的な)危険がある場合のみ,と考えるべきでしょう。

さて,最近,「北海道県警が,野次を飛ばした聴衆を排除した」とのニュースがありました。
その場にいたわけではないので実際のところはその対応が適切だったかはわかりませんが,少なくとも,「演説者に対して否定的な発言をしたこと」のみを理由にして排除されたのであれば,問題なく違憲です。
ただし,その表現をするにあたって,例えば火炎瓶を所持していたなどの事情があれば,規制もやむなしでしょう(そんなことなかろうと思いますが・・)。
為政者による演説に際して,多数人で大声で野次を飛ばす行為それ自体は,規制ないし排除することは許されれるべきではないと思います。

また,これに輪をかけて問題なのは,埼玉でも同様の問題が起こったあと,文部科学省大臣が「・・・選挙活動の円滑、自由は非常に重要。そういうこと(やじ)は権利として保障されていない」と述べたことでしょう。前後の文脈が切り取られていて多義的に解釈されるのでない限り,この発言は政治に携わるものとして極めて大きな問題です。

自由主義・民主主義の前提として,表現の自由には極めて高い価値が与えられなくてはなりません。政治に携わるものなのであれば,この価値を重視していただきたいと思うところです。

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