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こんにちは。新宿・青梅・三郷の弁護士法人アズバーズ,青梅支部長の菊川一将です。

弁護士による接見後に被疑者が逃走という未曾有の事態が発生しましたね。
まだ身柄が確保できていないということもあり,今後の動向が気になります。

ネット上では接見を行った弁護士が怪しいなどの声も上がっているみたいですが,その状況下でどう考えても一番疑われるであろう弁護士が積極的に逃走に手を貸すということは考えにくいように思います。
ただ,このような不測の場合に疑われたりしないよう,接見が終わったときには署員に通知するべきではあったかもしれません(意外に思うかもしれませんが,接見終了後特に通知等を必要としない運用を事実上行っている拘置所ないし警察署は存在します)。

多くの警察署では,接見室の中央にはアクリル板で仕切りがされており,それを挟んで弁護士と被疑者が接見をします。
ドラマなどで見たことあるかもしれませんが,だいたいあんな感じです。

当然ですが,ちょっと押したり叩いたりしたくらいで外れるようにはなっていないです。
ましてや接見者の側でなにか細工をすることで外せるようになるなど考えにくいです(そうだとすると,接見は弁護士以外でもできるため,被疑者の関係者が接見した際に簡単に逃走幇助ができてしまうでしょう)。

施設の老朽化という可能性が一番ありうるかなと思うところですが,いずれにせよ,接見室から出ていく被疑者に気づかなかったことも含めて,ちょっと警備体制が杜撰だったのかなと思います。

警察署や拘置所では,弁護士による接見室への電子機器の持ち込み制限など,法律に基づかない制限をこれまでも散々行ってきていることもあり,本件の論調次第では弁護士接見をより制限的に行うべしとの主張にかたむきかねないのが懸念されます。
しかしながら,本件は所内の警備体制が十全であれば発生することはなかったんじゃないかと思いますので,まずはやるべきことをきちんとやる運用を徹底する方針でお願いしたいです。

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