【自動運転の交通事故はどうなる?】自動運転の交通事故についての現状

交通事故事件について
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交通事故事件をこれまでに540件以上取り扱っている,新宿・青梅・あきる野の法律事務所,弁護士法人アズバーズの代表弁護士,櫻井俊宏です。

前回は自動運転もレベルがあるというお話をしました。
今回は,それを踏まえて,現状において考えられるレベル3の自動運転において,交通事故等の違反が起こった際どうなるかを考察したいと思います。

1 自動運転の道路交通法上の責任主体は?

前回お話したように,自動運転も道路交通法上の「運転」に含まれることになりました(道交法2条1項17号)。

このことからすると,少なくとも道路交通法上の違反については,運転者が運転をしているものとして,責任を負うことになりそうです。

しかし,運転者は,通常,ただ自動運転に委ねていたのであるから,過失があるという場合は少ないと考えられるので,例えばスピード違反とか,右折禁止違反とかのように,罰則は適用されにくくなるのではないでしょうか。

2 刑事罰が認められる場合は?

上述のように,違反があったとしても,故意又は過失がない場合が多いと思います。

2020年4月からの道路交通法の改正においても,運転中にスマホ等を見てはいけないという規制すら,自動運転中は免除されることになりました(道路交通法71条5号の5)。

ただ,レベル3の自動運転においては,緊急時には運転者が対応しなければならないのであり,いつでも運転を引き継ぐ状況は整えておかなくてはならないわけです。

このことからすると,居眠りをしていたり等といった明らかに運転を引き継げない状況にしていた場合には過失があるということになり,刑事罰も認められる場合もあるでしょう。

テスラの自動運転で,居眠りをして起こった事故につき,3月に横浜地裁で判決が出たそうです。
この裁判では,被告人は「居眠りを誘発するような自動車の造りに問題があり,自分に過失はない。」という主張をしたそうです。
結局,有罪とはなったようですが,今後に向けて,重要な問題点であると言えるでしょう。

3 民事の賠償責任

交通事故の損害に関し,誰が民事の賠償責任を負うのでしょうか。

これに関しては,車の運転で人に怪我が生じる限り,自動車賠償責任法3条が適用され,自動運転をしていた者が無過失であっても責任を負うことになります。

このことから,より任意保険に入っていることが重要となってくるでしょう。
任意保険の内容も,これからは自動運転の場合の商品を検討していく必要があるように思います。

これに対し,怪我はなく,車を傷つけられた等の対物事件の場合は,自動車賠償責任法が適用されないので,問題となってきます。
これについても自動運転車に対して責任追及できるよう,法律改正等の検討が望まれます。

4 自動車メーカーの責任は?

一度運転者が賠償した後,自動車の不具合,自動運転の不具合が立証できる場合には,運転者がメーカーに責任を追及することも考えられます。

メーカー側がこれを想定して,販売する際に自分達に有利な契約内容(約款等)を用意することも今後考えられるでしょう。

この点に関しては,今後いろいろな問題が生じそうです。

なお,これまで起こった事故は,テスラ社の自動運転車により運転者が死亡したケース,ウーバー社の自動運転車によって歩行者が死亡したケース等があります。
テスラ社の方は運転者の運転態様にも問題があったようです。
ウーバー社の件は,ウーバー社にも責任があったと言えるので,和解で解決したようです。

これからのこのような事例の集積に注目したいところです。

そもそもこのような事故が起こるのは,通信の遅延等によるところもあるようです。
通信がほぼ全く遅延しないという5Gの進化にも期待したいところです。
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櫻井 俊宏

櫻井 俊宏

「弁護士法人アズバーズ」新宿事務所・青梅事務所の代表弁護士。 中央大学の法務実務カウンセルに就任し7年目を迎える。

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