カレがワタシに残したもの~破局後の残置物の行方

不動産法律問題

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こんにちは。弁護士法人アズバーズの所属弁護士、菊川です。本日は破局後の残置物についてお話します。


交際,それは好きあう男女(男男女女)同士の甘美なる戯れ。
同棲,それは自らが見定めたパートナーと共なる蜜月の日々。

そんな楽しい時間にも,いつか終わりが来ることがあります。
浮気,性格の不一致,喧嘩,ギャンブルetc・・交際関係はどのようにして終了するかわかりません。

交際中は狂おしい好きだったカレも,別れた後はただのその他大勢。
別れたんだからとっとと家から出ていってほしい,顔も見たくない・・そう思うこともあるかもしれません。

このとき,きちんとお互いの持ち物を分けて管理していて,交際終了に伴って荷物の整理も問題なくできればいいのですが,必ずしもそうでないことがあります。

ここで,

「同棲していたカレ(カノジョ)が家を出ていった後,私物を残していった場合,その私物はどうすればいいのか?」

という問題が生じます。突然法律問題になってしまうわけですね。怖い。

感情に任せて全部捨ててしまう?いいえ,それは危険です。
家から出ていったとはいえ,その私物の所有権はあくまでカレ(カノジョ)にあります。これを相手方の同意なく処分することは,相手方に対する所有権侵害を意味しますから,民事上の損害賠償請求が問題になりえますし,刑事上も一応問題となる余地があります。

このとき,厳密に言えば,裁判上で,所有権に基づく妨害排除請求権を行使し,同私物を強制的に排除する手続きを取るべきです。
ただ,いちいちこんな手間や費用のかかる手続きをやるわけにもいきませんから,無難な対応としては,家の隅っこにまとめておいておくことのほか,倉庫その他に保管することが考えられます。

必要があれば,貸倉庫を借りて,そこに保管することでもいいでしょう。
必要性の認められる限りで,貸倉庫の費用を相手方に請求することもできる場合があります。
この場合,できるだけ早期の段階で,相手方に対して,自宅では私物を保管できないこと,そのために倉庫を借りざるを得ないことなどを通知しておくべきでしょう。

いずれにせよ,勝手な処分はできず,保管しておく手間がかかってしまいます。
立つ鳥跡を濁さずと言いますから,最後の処理くらいきちんとしてから出ていってほしいものですね。

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菊川 一将

菊川 一将

「弁護士法人アズバーズ」青梅事務所所長弁護士。 小・中・高校の10年間、バスケットボール一筋。2017年に弁護士法人アズバーズに入所。

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