家の財産分与はどのように処理されるのか【弁護士が解説する離婚問題】

不動産問題
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こんにちは。新宿・青梅・三郷の法律事務所,弁護士法人アズバーズ,代表弁護士の櫻井俊宏です。

離婚に伴う財産分与において,住宅ローンを組んで家を買ってしまっていた場合等は,必然的に大きな財産分与が絡んでくるので,急に話がややこしくなります。
家を買った直後に離婚の話し合いがはじまってしまうなどというケースも実は結構多いです。

このような場合,交渉・調停等でどのような進め方が考えられるか説明します。

1 売却して分け合う

一番ベターなのは,そのまま売却して分け合うことです。
これが一番話が早いです。

住宅ローン,すなわち借金の方が家のそのときの価値(「時価」といいます。)より少ない場合をアンダーローン,住宅ローンの方が多い場合をオーバーローンと言います。

このアンダーローンの場合は,より話が早いです。
売って,余りのお金が出るので,それを基本的に半分ずつ分け合えば良いからです(売却の諸費用で余りが出なくなったらまた問題ですが)。

オーバーローンの場合は,マイナスの借金はどのように財産分与で分け合うかの問題が生じてきます。
詳しくは下記の記事で解説しています。

*新築不動産は,一般に,買った瞬間に2割は価値が下がると言われており,オーバーローンになりやすいので慎重に購入する必要があります。

2 売却しない場合 名義人が住み続ける

家の名義を持つ,例えば夫の方が住み続ける場合が考えられます。

この場合は,夫のみの単独名義であれば,それほど問題はありません。
①アンダーローンで,家の価値の方が高ければ,それをお金に換算した分の2分の1を妻に分与すれば良いということになります。
②オーバーローンであれば,先ほど述べた借金の財産分与の話になります。
ただ,あえて借金の方が多い家に住むことを選ぶような場合は,余程のことがなければ,家は夫が住み,それ以上の分与はないという結論になるでしょう。

③共同名義の場合や,住宅ローンにつき妻も連帯債務又は連帯保証を負担している場合は,いろいろとやっかいです。
・共同名義の場合は,名義を夫のみの名義に変えてもらうよう,交渉が難航しそうです。

・妻も住宅ローンを負担している場合は更に問題です。
妻を住宅ローンから外してもらえるかどうか,住宅ローンの金融機関と交渉の必要があるでしょう。
妻も連帯しているからこそ住宅ローンが組めた場合が多く,簡単には認められない交渉となります。

3 売却しない場合 名義人でない者が住み続ける

例えば,夫が名義人でローンも負担し,妻が住み続けたい場合は更に頭を悩ませることになります。
夫が不倫をして,離婚をすることになったというように,夫が一方的な加害者であった場合はこのような要求をされる場合もあるかもしれません。

①夫が慰謝料変わりに住宅ローンを負担しつつ,妻(と子)が住み続けるということもありそうです。
ただし,このケースにおいては,夫が住宅ローンを支払わなくなった場合,住宅ローンの金融機関に家を強制的に競売されるようなことが考えられます。
そこで,この点についてペナルティを設ける等,妻としてはいろいろと考えなくてはなりません。

*また,家の名義と居住者が違ってしまうことは,通常,住宅ローンの契約に反することになります。
そこで,その点について金融機関と調整する必要があります。

②妻に家の名義と住宅ローンを移すことも考えられますが,これも金融機関との話し合いが必要です。
基本的に妻の経済的信用性が夫と同じぐらいないと,まず認められないと思います。

4 まとめ

以上に述べてきたように,家があると財産分与は複雑です。
離婚をすることを前提に結婚をする人はいないと思うので,夫婦で家を買うのは慎重に,というのは難しいでしょう。
ただ,もともと,所有権より賃貸の方が良いというローンもありますし,これからの日本の地価額がぐんぐん上がってくるとはとても思えません。
このような考慮も入れ,「持ち家神話」にとらわれず,家の購入は慎重にしましょう。

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櫻井 俊宏

櫻井 俊宏

「弁護士法人アズバーズ」新宿事務所・青梅事務所の代表弁護士。 中央大学の法務実務カウンセルに就任し7年目を迎える。

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