多目的トイレの目的外使用は犯罪!?【弁護士が解説する不貞問題】

法律時事問題を考察
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櫻井弁護士

こんにちは。新宿・青梅・三郷の法律事務所,弁護士法人アズバーズ,代表弁護士の櫻井俊宏です。

例の芸能人の不倫問題に関して,多目的トイレの目的外使用につき,
「建造物侵入罪(刑法130条)が成立する。」
という記事が多いように思います。

また,被害者に関して「売春罪では?」という意見もあります。

これについて,少し考察してみます。

1 建造物侵入罪(刑法130条)の成立について

確かに,建造物の管理者の意思に反する形で建造物に入る者には建造物侵入罪が成立するというのが,判例(最高裁昭和58年4月8日判例)の見解です。

しかし,さすがに,多目的トイレで数分性的行為に及ぶことが,
・建造物の管理者の意思に反する,
・その上「侵入」と言える,

というのは微妙なように思います。

例えば,私は,窃盗の目的をもってスーパーマーケットに客のふりをして入るのは建造物侵入罪が成立しうると思っています。
つまり,犯罪の意思をもって入ってくる場合には建造物侵入罪が成立します。
上に紹介した判例もそのような判例です。

このことから,本件では,
・ただ犯罪ではない性的な行為を行おうとしただけ
・時間も短い
・侵入と言えるような態様で入っていない

ということから,建造物侵入罪が成立しうるというのは,ややいきすぎた見解のように思いました。

少なくとも,警察が動くような事案ではないと思います。

2 売春罪の成立について

これについては,売春罪(売春防止法2条)は,不特定の者との性行為を罰する法律なので,今回,特定の「彼」だけに性的行為を提供してお金をもらっていたことについて売春罪は成立しません。
なお,口淫・手淫のような性交類似行為だけの場合は,売春罪にあたらないようです。

買春については,そもそも児童買春しか罪になりません。
これについてはおかしいような気もしますが・・

3 まとめ

本件に関しては,あまり刑事的な問題は生じないと思います。
しかしながら,加害者が,雑誌に,不倫の態様について赤裸々にコメントを残しており,また,不倫を否定しているようなので,今後民事の問題がどうなるか注目されます。

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櫻井 俊宏

櫻井 俊宏

「弁護士法人アズバーズ」新宿事務所・青梅事務所の代表弁護士。 中央大学の法務実務カウンセルに就任し7年目を迎える。

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