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こんにちは。弁護士法人アズバーズの所属弁護士、菊川です。本日は損害費目についてお話します。

本稿の趣旨

・損害費目は多岐にわたる。
・相手方に請求できるのは事故との相当因果関係が認められる損害のみである。

後遺障害認定申請手続きや異議申立手続きを経て,後遺障害が認められた場合も認められなかった場合も,加害者に対して損害賠償請求を行っていくことになります。

このとき,損害として認められるのは,多くの事例の場合下記のとおりです。

・治療費
・通院交通費
・通院慰謝料
・休業損害
・文書料
・後遺障害慰謝料
・後遺障害逸失利益

事案によっては将来介護費や近親者休業補償,近親者慰謝料の他,個別事案に応じた損害が認められることがあります。

また,これら損害費目に外観上該当するとしても,その全てが認められるとは限りません。
交通事故と因果関係が認められるものに限ってのみ,請求が認められることとなります。

この因果関係は,単なる条件関係ではないことはもとより,その範囲についても一定の制限があります。
ことわざにもあるように,「風が吹けば桶屋が儲かる」ような因果関係は,法的には認められません。

例えば,「事故によって足を捻挫した→その捻挫した部分をかばって歩いていたために転んで頭を打った→頭を治療しなかったためそれが原因となって脳梗塞を発症し死亡した」ような場合を想定してみて下さい。
この死亡という結果の遠因となったのは最初の事故でしょう。事故がなければ捻挫せず,捻挫がなければきちんと歩けており,そうであれば頭を打つことはなかったのですから。
しかし,このような結果は,当初の捻挫程度の事故から発生しうる結果とは通常考えられません。
このように,通常その行為(事故)から発生することが予見できない範囲の損害については,特別の事情によるものとして,因果関係が認められません(民法416条1項,2項)。これを「相当因果関係説」と呼んだりします。

そのため,この因果関係の範囲を巡って,相手方と争いになることが多々あります。
今後の稿で,各損害費目についての説明と,争いになりうる点についての説明を進めていきます。

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