コロナ禍で大学入構禁止は許されるか【学校保健安全法等について弁護士が解説】

法律時事問題を考察
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学校法人中央大学の法実務カウンセル(インハウスロイヤー)であり,新宿・青梅・あきる野・三郷の弁護士法人アズバーズ,代表弁護士の櫻井俊宏です。

コロナ禍において,学生が新型コロナに罹患した恐れがある場合に,大学内に入構することを禁止する措置がとられることが増えてくると思います。
どのような法的根拠に基づいて行われるのでしょうか。

この記事で疑問にお答えします。

1 学校保健安全法と政令

学校保健安全法の第19条に,
「校長は,感染症にかかっており,かかっている疑いがあり,又はかかるおそれのある児童生徒があるときは,政令で定めるところにより,出席を停止させることができる。」
とあります。

そして,政令として,学校保健安全法施行令があり,その6条1項では,その出席停止の「理由及び期間」を明らかにしなくてはならない旨記載されています。
更に,6条2項で,出席停止の期間に関して,感染症の種類に応じて文部科学省令で定めるように記載されています。

その上で,学校保健安全法施行規則(文部省令)の18条,19条で,感染症の種類・出席停止の期間について記載されています。
この期間は,「治癒するまで」「学校医の意見を聞いて適当と認められる期間」というように,確定的な期間では記載されていません。

このことから,期間については,個々の学校の規程で決める必要があると言えます。

2 どのような場合に入構禁止措置が容認されるか

どのような場合に入構禁止措置が認められるのでしょうか。
もちろん新型コロナに罹患していることが明らかな場合には,入構禁止は合理的措置です。

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良くある,「37.5℃以上の熱がある場合」はどうでしょうか。

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この場合,上述の学校保健安全法の,感染に「かかっている疑い」がある場合として,入構禁止は認められるでしょう。ただし,温浴施設等は契約が成立しておらずそのままお帰りいただくことから,権利侵害になりにくいですが,大学の場合は既に在学契約が成立しているので,その扱いには注意が必要です。

特に,入学試験等の重要な件の際に,一律体温37.5℃以上のものを入構禁止として良いかどうかは,良く検討する必要があります。

3 まとめ

これらの問題は,緊急事態に伴う新たな法律問題であり,上で記載した法律が改訂されていくかもしれないし,裁判例もいまだ蓄積がなく,これから積み重ねられていくのでしょうから,その動向に常に注意しておく必要があります。

 

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櫻井 俊宏

櫻井 俊宏

「弁護士法人アズバーズ」新宿事務所・青梅事務所の代表弁護士。 中央大学の法務実務カウンセルに就任し7年目を迎える。

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