「株式会社小さな一歩」設立【養育費回収事業】

法律時事問題を考察

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こんにちは。弁護士法人アズバーズの所属弁護士、菊川です。本日は養育費回収事業についてお話します。


6月1日,あの前澤社長の出資により,「株式会社小さな一歩」が設立されました。
社長は井澤文平という弁護士出身の方のようですね。

1  株式会社小さな一歩

離婚したあとに元パートナーから養育費を受け取れていない方を対象に,初期費用を無料で,また,約束がある場合にはとりあえずその約束通りの養育費を一旦支払うなどという破格なサービスをもって,養育費を受け取れない方の援助をすることを目的としているようです。

養育費の回収に成功したときに,その養育費から15%~25%を支払うシステムのようです。
逆に言うと,回収に失敗したときにはお客様が支払う費用はゼロということになるはずです。
弁護士が行う養育費回収サービスでちらほら見る,着手金0円プランのようなものですね。

民事執行法が最近の改正により強化されたので,以前より回収可能性が高まっているかもしれません。

【民事執行法改正】 財産開示等の強化と強制執行の秘技

弁護士でも弁護士法人でもない株式会社が養育費回収業務という法律事務を行うというようにも見えますが,その辺りはきちんと対策しているのでしょうね。

前澤社長の潤沢な資金力・宣伝力に裏付けされた大規模な事業ですね。大規模なだけあり,ある程度の失敗があっても成功例も当然増えるでしょうから,長い目で見てプラスになるという見方でしょうか。
社会奉仕のような側面を持ちつつ,きちんと利益も追求するという,お手本のようなやり方だと思います。

2 気になるポイント

相手方パートナーが支払わない場合には,弁護士が介入して合意を取り付けるとのことですが,弁護士として一番気になるのはこの点ですね。支払いを拒むパートナーからまともな約束を取り付けるのが一番難しいですから・・どのような手段でこれを恒常化するのか,気になって夜しか寝れません。

あと,調停や強制執行,住所調査にかかる弁護士会照会等はやっちゃいけないところですから,あくまでマイルドなやり方にとどまるという部分がどの程度まで影響を及ぼすか,ですね。

報酬も毎月養育費の15~25%と決して安くはないですから,相手方が公務員や会社員など,いわば「堅い」職業についている場合は,弁護士に依頼して調停・強制執行を検討したほうがいいかもしれません。

いずれにせよ,申請も簡単のようですし,困っている親御さんにとっては,運が良ければ初期費用ナシで養育費を支払ってもらえるかもしれないのですから,とりあえず利用してみるのはひとつかもしれませんね。

当事務所でも養育費の請求にかかる業務を行っております。
調停や審判,強制執行への対応など,小さな一歩では対応できない(してはいけない)部分についてもカバーしておりますので,お気軽にお問合せ下さい。

【参考】
離婚時に養育費を定めることの義務化の動き
民事執行法の改正により養育費が回収しやすくなったお話はこちら
強制執行全般に関するお話はこちら

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菊川 一将

菊川 一将

「弁護士法人アズバーズ」青梅事務所所長弁護士。 小・中・高校の10年間、バスケットボール一筋。2017年に弁護士法人アズバーズに入所。

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