GoToキャンペーン東京都民除外!?ー平等権侵害とは

異議を申し立て(たいと思い)ます!!(ドン!!!!

GoToキャンペーン,現政府の肝いりで始まった政策として,開始時期と開始の是非の判断を除けばなかなか魅力的な内容の政策かなと思います。

しかしながら。しかしながら,キャンペーンの直前に東京都民は除外するということに。
これはひどい!都民差別だ!!許せん!!!

と,多くの方は不満に思いつつも,「まぁ東京はコロナ感染者数多いし仕方ないか・・」と納得するのではないかとは思います。

しかし,これは人権が関わる憲法問題になりえます。

「すべて国民は,法のもとに平等であって・・差別されない」とは,憲法14条に規定された平等権の定めです。
シンプルな内容の人権ですが,これがなければ生まれや財産の有無などで権利に制約を課すことが正当化されてしまいます(中世の貴族制度を思いおこしてみてください)。

ただし,日本国憲法における平等権は,絶対的・形式的平等を定めたものとは解釈されていません。
例えば,生まれつき目や耳が聞こえない人とそうでない人とを法律上全く同じに扱うこと(例えば病院での治療費を全く同額にしたり,就職や学習援助などを行わない等)は妥当とは考えにくいですし,国家公務員登用試験で成績が最下位の人と最上位の人とを同じように合格させ,同じ仕事に就けさせることは明らかに不当です。

このように,平等とはいっても現実的には一律に扱うべきではない事柄が多いため,絶対的・形式的平等を貫くと不都合が起こります。
そのため,日本国憲法では,相対的・実質的平等を定め,合理的な理由に基づく別の取り扱いは容認していると解されているのです。

ただし,原則としては平等に取り扱われる必要があるわけですから,その取り扱いが別であることについては,必要かつ合理的な理由が要求されます。

GoToキャンペーンに関していうと,東京都民を除外するという決定は,明らかに別の取り扱いであり,平等権侵害の問題を生じます。
ただ,この取扱の理由として,東京都民の感染者数が他の都道府県民のそれと比較して多く見えることから,東京都民がGoToキャンペーンを利用して旅行をすると,コロナが日本中にばらまかれるため,これを防止する必要がある,という理由が挙げられるでしょう。

これに対しては,「東京都民一括除外」は,対象の絞りを全くかけられておらず,規制する必要のない地域(例えば23区外では感染者数は少ないです)まで含んでおり不当であること,コロナの感染者数は検査数あたりの陽性者数を基礎に算出されていると思われるが,検査する集団の性質やその他の事情(陽性と判断された場合には補助金が出るという政策をとっている自治体もある)が考慮されていないこと,神奈川や大阪なども同様に感染者数は多いが,こちらを規制しないことが合理的とは言えないこと,などが反論としてあげられるでしょう。

もしこの規制に合理性を見出すとしたら,東京都民のうち感染している危険性が髙いと判断される住民個人もしくはそうした地域の住民に限って規制する等の工夫が要求されるでしょう。

ただし,不合理な規制であるからと言って,これが直ちに憲法違反であり,違法と判断されるかといえば,微妙なところです。
GoToキャンペーンは,国が国民に「与える」政策であり,「奪う」とか「制限する」政策ではないため,国側の裁量が広いと考えられるためです。
誤解を恐れずに言うならば,本来実行する必要がないことであって,国民に対して制約を課すものではないのであれば,その内容がどのようなものであれ,絶対的に見て得をする人はいるにせよ損をする人はいないのだから,大きな問題ではないだろう,ということです。

このように,問題はあるものの明確に違憲とは言えない・・という難しい問題ですが,いずれ誰かが違憲訴訟起こすんじゃなかな・・と思って見てます(他力本願)。