労働問題(3) 豊田真由子議員の件とパワーハラスメントに関する考察

労働者を中心として労働問題を専門にしている弁護士法人アズバーズ,代表弁護士の櫻井俊宏です。

 

題名の議員の暴言問題のニュース,皆様は見ましたでしょうか?すごかったですね。歴史に残る不祥事かと思います。

そして,法的にはパワーハラスメント,略してパワハラと言われる行為です。

 

現在,厚生労働省によって,パワーハラスメントとは「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」と定義されています。

しかし,このような行為と言えるような状況があっても,パワーハラスメントは,録音や電子メール等によって客観的に残っていなかった場合は,なかなか裁判等で認定されません。

パワーハラスメントにあってるなと思ったら,まずは簡易にできるのは録音です。会社の人事部やハラスメント対策の部門に訴える前に,まずは録音を録りましょう。相手に伝えずこっそり録音でも構いません。

この件では,秘書の方が,きっちり録音をできた点がよかったと思います。これで裁判や労働審判を行った場合,パワハラと間違いなく認定されるでしょう。

 

セクハラが,実際にセクハラ行為が立証された場合には,キスされると150万円以上ぐらい,性行為や類似行為までされた場合には500万円近くなるのと違い,通常のパワハラは,損害金として,10万円程度のものから,殴る等の行為もあるひどいものでもせいぜい200万円ぐらいになることが多いです。

しかし,本件では,かなりの肉体的暴力もあったこと,事務所を辞めた他の方の証言により日常茶飯事的にパワハラが行われていたことが推測されること,国会議員という絶大な権力を背景にして行っていること,何よりも,言葉の驚異的とも言える強度やミュージカル調に子供への脅迫を匂わせたりすることによるインパクトの強さは,やはり裁判官の判断にも大きく影響するのではないでしょうか。

500万円前後までいく可能性もあるように思います。
これまで辞めていった方全員で訴えられたら大変ですね。

 

なお,本件は当然刑事犯罪も成立することはありそうです。

暴行罪,怪我が認定されれば傷害罪,秘書の方のお子様に危害を加えることを示唆する発言はひょっとすると脅迫罪等が考えられます。

これまで弁護士業務をやってきた経験から,議員という名のつく方であっても,民事事件における未払いのみならず犯罪などいろいろ行っているケースを見てきました。

 

とにもかくにも,セクハラやパワハラを受けているなと感じられた場合,まずは録音をしてみてください。その上でご連絡をいただければと思います。

明らかにセクハラやパワハラが存在するようなケースでは,初期弁護士費用無料でお受けすることも可能です。

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