離婚調停における養育費請求の方法【弁護士が解説】

新宿・青梅・あきる野・三郷の法律事務所弁護士法人アズバーズ,代表弁護士の櫻井俊宏です。

離婚の協議がうまくいかず,これから離婚調停を行おうという際に,養育費のことが気にかかる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

①離婚調停における養育費の請求の仕方,
②養育費の算定基準,
③養育費請求に関する法改正等,
について,本記事で詳しく説明します。

 

1 離婚調停における養育費の請求の仕方

養育費とは,子供の養育にかかる費用です。原則として子供が20歳になるまでの分が決まります。

離婚後,子供の親権を得る方の養育費を相手方が支払うことになります。
そこで,離婚が成立するときに,養育費も決まることになります。

離婚調停の申立の際に,養育費についての請求も一緒にできます。
申立書に希望金額を記載すれば,調停の中で離婚の内容と共に検討されます。
離婚調停で気をつけること3つの記事はこちら

では,別居状態で働いていないのに子供を養育している親は,離婚が成立するまでどうすればよいのでしょうか。

この離婚までの子供の生活費は,婚姻費用といいます。
この婚姻費用のことを「養育費」と呼ばれる依頼者の方も多いです。
子供の生活費のみならず,子供を養育している親の生活費も含むので,養育費より多い金額となります。
離婚調停と同時に婚姻費用分担請求の調停が提出された場合には,そのときからの婚姻費用を相手方が支払うことになります。

この婚姻費用については,離婚の調停とは違う申立書式によって,別途申し立てをする必要があるので注意しましょう。
婚姻費用の請求方法はこちら

 

2 養育費の算定基準

養育費には,裁判所が決めた算定基準表というものがあります。

子供の人数・年齢,
親両者の収入,
親が自営業者かどうか,

に従って,養育費が算定されます。

「こんなに学習塾代がかかる。」
「賃料は別にしてもらいたい。」

等の意見があったとしても,相手方が納得しない限りは,この算定表の内容と違う内容は調停ではほとんど受け入れてくれません。

もっとも,以前のこの算定表に養育する側からの不満が多かったので,養育費の金額が上がった新しい算定表が2019年12月から採用されています。

 

3 養育費の請求に関する法改正等

養育費は,離婚調停等で一度決まったとしても,途中から支払われなくなることが約8割だそうです。

そのような場合には,離婚調停で作成された調停調書(調停外の場合は「公正証書」)を利用して強制執行を行う必要があります。
ただ,この強制執行も効力が低い方法が多く,あまり功を奏しませんでした。

そこで,2020年4月に強制執行のための民事執行法がいろいろと強化されました。

支払わない相手方を裁判所に呼び寄せて,財産を明らかにさせる「財産開示」の手続は,財産を開示しようとしない場合,30万円以下の過料が科されるに過ぎなかったのですが,この改正により,不出頭や嘘をつくことに対して6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金の制裁が課されることになりました(民事執行法213条5号,6号)。
これにより,相手方が犯罪者になることを恐れ,きちんと財産を開示する可能性が高くなったと言えます。

また,この財産開示により財産が見つからない場合も,裁判所に対する申し立てにより,裁判所が差押できる財産について調査をしてくれるようになりました。

まず,預金口座に関しては,裁判所から各銀行に問い合わせて,預金口座の支店,口座番号等の情報を取得することができます(民事執行法207条)。

また,不動産に関しても,裁判所から法務局に問い合わせることによって,その債務者が権利を有する不動産の情報が得られます。
財産開示等の民事執行法の改正について詳しくはこちら

 

今年の6月2日には,自民党の「女性活躍推進本部」が,離婚時の養育費取り決めの義務化を提言したようです。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59882520S0A600C2PP8000/

これが法律で定められれれば,少なくとも,離婚時に全くなし崩し的に養育費が定められないというような件は,減少することが期待できます。

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