離婚調停において気をつけること3選【弁護士が解説する離婚問題】

離婚問題をこれまでに230件以上解決してきている,新宿・青梅・あきる野・三郷の法律事務所弁護士法人アズバーズ,代表弁護士の櫻井俊宏です。

離婚について夫婦間の話し合いでうまくいかない場合には,裁判所に離婚調停というものを提起することになります。
離婚調停は弁護士を就けないでも行う人はそれなりに多いですが,その際,有利に進めるために気をつけることも多いです。
この離婚調停とはどのようなものか説明の上,もし行う場合,気をつけるべきことを,

  • 書面を提出するかどうか
  • 弁護士を就けない場合どうなるか
  • 離婚調停の時間

を中心にお話します。

 

1 離婚調停とは? 調停前置主義

離婚調停とは,裁判所に申し立てて行われる,裁判所内での話し合いの手続です。

1か月半から2か月に1回ぐらいの割合で行われます。平日昼のみです。
裁判所が強引に日程を決めるわけではなく,両者の空いている日をくみとってくれるので,その点,ご安心ください。

一つの部屋に調停委員という裁判所に選任された離婚手続について知識ある人2人がいて,その2人と夫婦が入れ替わりでお話をし,徐々に両者の意見をすり合わせていきます。
相手方は別室に待機しているので,基本的に顔を合わせることはありません。調停委員もそのように配慮してくれます。

大抵2時間程度であり,30分ずつ2交代を目途に話し合います。

この調停委員は,離婚調停の場合,通常男女1人ずつです。
なお,調停委員の2人は,裁判官の管理のもと調停を追行していきます。

離婚に関する条件について,両者の意見が一致しないと調停による離婚は成立はしません。

調停が成立せず終わった場合(「不調」といいます。)には,離婚裁判をするしかありません。
なお,裁判を調停より先にすることはできず,先に調停をしなくてはなりません。
これを調停前置主義といいます(家事事件手続法257条)。
家族のことはできるだけ争うことなく話し合いで解決すべきであるという必要性からこのようになっています。
離婚裁判の調査嘱託・送付嘱託についての記事はこちら

だいたい,私の感覚では,離婚調停を行う件は離婚全体の10分の1ぐらい,離婚調停で話がまとまらず裁判になる場合も10分の1ぐらいのイメージです。

 

2 離婚調停を申し立てる方法

離婚調停を申し立てるには,戸籍謄本が必要です。
裁判所の基本書式に,その人のプロフィールや申立ての理由等,必要な情報を記載すれば,離婚調停を申立てることができます。

弁護士がいなくても申立は難しくありません。
手書きでもOKです。

申し立てる裁判所は,相手の住所地を管轄する,すなわち相手の住所地から近くの家庭裁判所です。
遠くの都道府県の家から別居してしまった場合は大変ですが,弁護士に依頼すれば,電話会議調停等を実行することも可能です。

婚姻費用分担請求調停という生活費を支払うことを求める調停や,面会交流という子供に会うための調停も一緒に申し立てることができます。
離婚調停を申し立てる際は,これも合わせて申し立てることを忘れずに検討しましょう。
婚姻費用分担請求について詳しい記事はこちら

緊急性が高いので,離婚自体よりも婚姻費用分担や面会交流の方が優先して検討されることが多いです。

なお,良く混同されますが,「養育費」というのは「婚姻費用」とは別です。
婚姻費用は,結婚中の生活費で,子供の分と子供をみている者の分も入っており,養育費より一般的に金額が多いです。
この養育費も離婚調停の中で主張していくことができます。
離婚調停における養育費の請求方法

 

3 離婚調停において気をつけるべきこと

①まず,あまり書面を書いて提出しない方が良いと思われます。
主張書面」という事実の経緯等を記載する書面を出すことができるのですが,あまり調停の時点で,相手方の主張内容が良くわからないうちに書面で事実の経緯を出し過ぎると,後で裁判の際に矛盾した主張をしてしまうことになったり,不要に情報を与えることになりかねません。

一度,相手方である夫の代理人が,こちらの証拠が不十分な夫の不倫について,主張書面で認めてしまったケースがありました。
こちらの妻は,離婚をしたくないという立場だったので,相手方は「有責配偶者」と言って,自分から離婚をしにくくなる立場に追いやられ,非常に調停を有利に進めることができたのを良く覚えています。

逆にいうと,書面をあまり書かなくても良いので,上記のように,弁護士を代理人として立てなくてもできる手続ではあります。

②しかし,相手方に弁護士が就いている場合には,調停委員はこちら側を強く説得してくることが往々にしてあります。
弁護士をつけてない側の方が説得しやすいと考えるからです。

弁護士を代理人にせず進める場合には,その意識を持ちながら強く自分の意見を主張していく必要があります。

 

4 離婚調停の期間は通常長い

③離婚調停は,前述のように1回2時間程度なので,感情的に話を進めると全然話が進まずその日の期日が終わってしまうこともしばしばです。

なので,離婚調停は,3カ月程度ではなかなか終わりません。
半年はかかるのが通常,1年かかることも多いです。

このことから,離婚調停の際は,早期の解決のために調停委員が聞いてきたことについてポイントを絞って話す必要があります。
離婚調停の期間についてより詳しい記事はこちら

 

5 まとめ

離婚調停は,必ずしも弁護士が必要というわけではなく,自分で行う人もそれなりにいます。
しかし,そこでの振る舞い方次第では,調停がまとまらずに裁判に移行した場合には,既に不利な状況になることが考えられます。

どのような件であっても,どうせ弁護士に依頼することになるのであれば,早いに越したことはありません。

(2020.8.16更新)

弁護士法人アズバーズのホームページ

 

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