離婚・男女問題(4) いわゆる枕営業裁判

少し前ですが,銀座のクラブのママが,客と,営業時間外で性交渉を結び続けていた(しかも7年とのこと)件で,客の妻がママに対して提起した損害賠償請求の裁判について,枕営業は売春と同じであるから不貞行為ではないとして,請求を認めなかった結果になったという件が,ニュースで話題になりました。

これを聞いてまず思ったのは,ママの方が故意,すなわち不貞行為を行う意識がないと認定されたのではないかということでした。

しかし,どうも当該事案である東京地裁平成26年4月14日判決を読むと,意識の問題でなく,枕営業それ自体不貞行為ではないという認定のようなのですね。

枕営業自体が不貞行為でないとすると妻は,夫に対しても損害賠償を請求できないという帰結になりそうな気もします。
しかし,妻から客である夫に対する請求は,おそらく認められるのではないでしょうか。
同じ枕営業で行った性交渉であっても,ママに対する請求と,夫に対する請求で意味合いが変わってくるということは十分にありえると思います。

いずれにしろ,個性的な結論ではありますが,当事務所のように男女問題の事件数が多い事務所としては,無視できない裁判例であります。

弁護士 櫻井俊宏