迷惑系ユーチューバーに犯罪等の法的責任ーへずまりゅう逮捕【弁護士が解説】

最近はテレビよりYou Tubeを見る機会が増えました,弁護士の菊川一将です。

へずまりゅうはじめ,いわゆる迷惑系YouTuberという方たち,YouTuberという言葉を使うとなんだかかっこよく思えてしまうので私はあまり好きではないですね。
ただの迷惑行為おじさんですよ。

 

1 迷惑系ユーチューバーは不法行為(民法709条)か

さて,「迷惑行為」と一口に言ってみても,いろいろな行為が考えられますし,その分類方法も様々です。
弁護士の視点からは,「それが不法行為(民法709条)に当たるか否か」で分類することが多いと思います。
不倫の損害賠償や交通事故の損害賠償もこれに当たります。

例えば,電車内で電話をする行為は,迷惑行為といえそうですが,不法行為には当たりません。
また,複数人で列を作って歩道を歩く行為も,後ろの人の通行に支障をきたしているかもしれませんが,妨害の意図がない場合には不法行為とはいいにくいです。

迷惑行為が不法行為に当たるか否かは,その行為によって他人の権利または法律上保護されるべき利益を侵害しているか否かで定まります。
電車内での電話は,たしかにうるさく,不快に思うかもしれませんが,「電車内で静かにいる権利(または法的利益)」は,権利や法的利益としては保護されていませんので,不法行為には当たりません。後者の例も同じです。

 

2 迷惑系ユーチューバーは犯罪か

ただし,周囲や社会への実害があまりなさそうな行為でも,不法行為・犯罪にあたることはあります。
「へずまりゅう」こと原田将大容疑者がしばらく前に行った,スーパーの魚の切り身を会計前に開封して食べた行為がそれですね。
刑法235条の窃盗罪ですね。10年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。

今回,原田容疑者は,ショップ店員へのいいがかりで逮捕されていますが,これが威力業務妨害(刑法233条)にあたることは論を待ちません。3年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。

これに加え,その動画がアップロードされており,ショップ店員及びその店の名誉が毀損されたともいえますから,名誉毀損罪(刑法230条)の成立及びこれに基づく損害賠償請求が考えられます。
また,この行為によってショップの売上が落ちた場合には,因果関係が認められる範囲で損害賠償責任を負うでしょう。

 

3 迷惑系ユーチューバーのこれから

こういう人たちの問題点は,自分が周囲に迷惑をかけていることをわかっていながら売名のために進んでそれを行う点にあります。
日本国憲法は国民の自由を保障していますが,その自由が他人の人権と衝突した場合の調整は必要不可欠です。
その意味で,他人の人権・法的利益を踏みにじるような行為は,憲法で認められる自由を逸脱した行為ですから,これは許されるべきではありません。

今回,原田容疑者は4回目の逮捕ということですし,既に別件で起訴されてもいますから,軽微とはいえ実刑になって刑務所に収監される可能性があります。
実刑になったらなったでそれを面白おかしくネタにするのでしょうね・・。

こういう人達に対する最適な対策は「罰」ではなく「無視」なのですが,メディアも面白おかしく報道しますし,それを見た視聴者も不快に思わざるを得ないですから,無視を決め込むのはなかなか難しいですね。実際私もこうして記事にしてしまってますし。
ただ,誰も相手にしなくなれば鎮火していくでしょうし,彼らの収入も閉ざされるわけですから,できるだけ無視を心がけることが大切かなと思っています。

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