【相続の問題】遺言の持つ意味と種類,作成方法

これまでに相続事件110件以上を解決しております,新宿・青梅・あきる野の弁護士法人アズバーズ,代表弁護士の櫻井俊宏です。

相続の問題は,揉めるとどこまでも悪化するので,できるだけ早く解決することが大切です。

 

1 争族とは?

相続人間で戦うことになってしまった相続を,「争う」に家族の「族」で「争族」なんて言ったりします。
この争族にならないようにするには,まず遺言を作成することが考えられます。

遺言とは,後に亡くなる方,被相続人が,相続財産を記載して,相続人となる者の誰に何を相続させるかを記載する書面であることは皆様も知っていらっしゃると思います。

なお,法律の世界では「遺言」と書いて「いごん」と読みます。
相続の事件をやっていると,遺言が作成さえされていればここまで揉めることもなかったのに,と思うことばかりです。

 

2 遺言を作成するにはどうしたら良いか?

遺言は,当然ですが,被相続人しか作成することはできません。
被相続人の方が自分で作成することを決断される場合は問題ありません。

一方,被相続人の方が自分で書くのを躊躇される場合もあると思います。自分の死後の話なので。
相続人候補者の方から遺言書を作成して欲しいと言うのは,立場からすると難しいですよね。

このような場合には,争う「争族」になると親族関係が崩壊して時間もお金もかかって,みんな本当に悲惨なことになるということをじっくりお話するしかないかなと思います。

 

3 付言事項

遺言の最後に「付言事項」と言われる,被相続人の思いをつづる部分を入れる場合があります。
生前,特定の誰かに世話になったからその人の相続分を多くする,相続人みんなが力を合わせて家を守ってもらうようにこのように分けた,等の文章があることによって,思いが伝わり,その後の争いを抑える効果があります。

以下,遺言の種類と実行方法について説明いたします。

 

4 自筆証書遺言

普通に被相続人が自分で書く形式のものを「自筆証書遺言」(民法968条)といいます。

もし,自筆証書遺言を作成するようであれば,遺言は全文手書きでないと無効であること,日付・氏名の記載が必要であること等に注意してください。
ただし,相続法が改正したことにより,「財産目録」と呼ばれる財産の一覧表はワード等で打つことも認められるようになりました(民法968条2項)。
自筆証書遺言の改正についてはこちら

被相続人が亡くなった後は,「検認」といって,裁判所に真正な遺言であるかをチェックしてもらって認定してもらう手続をしなくてはなりません。

 

5 公正証書遺言

自筆証書遺言の他に,公証役場というところで公証人という方に作成してもらう「公正証書遺言」(民法969条)というものがあります。

公正証書遺言を作成すると,公証役場に遺言の写しが残ります。
その場合には,自筆証書遺言に生じがちな,遺言が紛失してしまうとか,見つけた人が破いて捨ててしまうとかいうことの心配もなくなります。

この他,秘密証書遺言という形式もあります。またの機会に説明したいと思います。

 

6 特別の方式 死亡危急時遺言

なお,被相続人が,手が動かせないような症状等,遺言を書けない状態に陥った場合に,「死亡危急時遺言」(民法976条)という方式があります。
3人の立会人のもと,被相続人がその立会人の1人に相続財産をどうしたいか伝え,それを立会人が文章にしたためる形式です。

本人が直接書いたものではないことから,その後,裁判所の厳重なチェックを経る必要があり,非常に手間と時間がかかる方式です。

なお,弁護士法人アズバーズでは,このとても稀な遺言書の作成を2度お手伝いしたことがあります。

死亡危急時遺言の詳しい記事はこちら

 

7 遺言執行者とは?

遺言執行者とは,被相続人が亡くなった場合に,遺言に書かれた内容を実現する担当者のことを言います(民法1006条以下)。
相続人の中の誰かを遺言執行者に指定することもできます。

ただ,相続によって凍結された預金口座を解約する手続や,相続する不動産について登記をする手続等,なかなか難しいものも多いので,弁護士や司法書士等,専門家を選任していることも多いです。
遺言執行についての詳しい記事はこちら

 

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