成年後見人の仕事と報酬【弁護士が解説】

新宿・青梅・あきる野・三郷の法律事務所弁護士法人アズバーズの代表弁護士,櫻井俊宏です。

成年後見人についても,総財産5億程度の大きな案件である2件を含めて,複数の件を担当してきています。
成年後見人をつけることを必要としている方及びその親族の方のために,わかりやすく成年後見人について説明したいと思います。


前回の成年後見人とはなにかの記事に続いて,今回は「仕事内容」と「成年後見人の報酬」について解説します。

 

1 成年後見人の就任

裁判所の決定書によって,成年後見人に就任します。

すると,成年後見人は,まずは法務局に行って,
「この人の成年後見人に就任しました。」
ということが第三者にも見ることができる登記手続を行います。

その後,本人の財産等を預かって,どのような財産があるか等を目録にまとめる「初回報告」を行います。
就任して2~3ヶ月ぐらいの間で行うことになります。

 

2 成年後見人の業務

主に財産管理です。
通帳や不動産の権利書等を預かって管理します。

成年被後見人(本人)の動向をチェックするため,本人に届く郵便を成年後見人のもとに転送するのが通常です。

その他,ある程度,本人の体調等を把握しておく必要があります。
介護施設等に入ることを検討した方が良い状況になることもありうるからです。

そのために,成年後見人は1~2ヶ月に1回程度,本人に会いに行くことが多いです。

なお,誤解している方も多いですが,成年後見人はあくまで成年被後見人のための成年後見人です。
一緒に居住している相続人候補者の代理人ではありません。
後の相続のための話には基本的に入っていけないし,助言も基本的にはしません。
このことについては,機会があれば,詳しく解説します。

 

3 成年後見人の報酬

成年後見人の報酬は,本人の財産が平均程度の財産であれば,月額3万円程度が通常です。
弁護士が行う企業の顧問弁護士の最低額と同じ程度ということになります。

これに,例えば本人の所有する家を売却する等,手間のかかる手続を成年後見人が行ったときは加算報酬があります。
売却した不動産の金額に応じて,通常数十万円程度増額します。

この報酬は,成年後見人が裁判所に対して年1回報告を行うのですが,この際に報酬請求の申立を行います。
これに応じて,裁判所が,1年間の業務内容をチェックして報酬を設定するわけです。

裁判所の報酬決定がされると,成年後見人は,本人の預金口座等から,報酬を受け取ってよいことになります。

なお,成年後見人が横領をするということが多いことはご存じだと思います。
この横領が起こるときは,上記の年間報告が滞ってからが多いようです。
成年後見人の年間報告が1年ぐらい遅れていたら,要注意段階と言えるでしょう。

 

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