成年後見人とはなにか【弁護士が解説】

新宿・青梅・あきる野・三郷の法律事務所弁護士法人アズバーズの代表弁護士,櫻井俊宏です。

成年後見人についても,総財産5億程度の大きな件2件を含めて,複数の件を担当してきています。
成年後見人を必要としている方やそのご家族に,わかりやすく成年後見人とかは何かについて説明したいと思います。

 

1 成年後見人とはなにか

成年後見人とは,本人が認知症や病気,怪我等で判断能力が乏しくなってしまっている場合に,法律上本人の代理となって,本人の財産等を管理し,本人に変わって契約等をする役目を担う者です。

判断能力が乏しくなっていると,法律的に「意思能力」がないといい,その者の法律的な意思表示,例えば「この不動産を買います。」と思って契約書にした署名・押印は無効となります。

そこで,そのような状態で,後に法律的な意思表示が無効となるような事態にならないように,成年後見人をたてる必要があります。

成年後見人が選任されると,成年被後見人が行う契約の意思表示等は基本的に無効となりますが,選挙権は,平成25年に認められるようになりました。
選挙事務を行う者の補助を得て,本人の意思を汲み取り,「代理投票」というものが行われます(公職選挙法48条)。

以前は「禁治産者」と呼ばれていた制度が,「呼び方が差別的である」として,呼び方を変え,内容もアレンジを加えた制度がこの成年後見人制度です。

なお,これより意思能力が多少ある場合として,「保佐」と「補助」という制度があります。
これらについては機会があれば説明します。

 

2 成年後見の開始

成年後見人は,原則として,成年後見を受ける本人の親族等の申立により始まります。

申立て自体は,そこまで難しいものではないので,必ずしも弁護士が代理しなくてはならないというものではありません。
現にご自分で申立てられたケースを何回か担当しております。
本人の経歴や財産についての情報,本人の財産を相続する相続人候補者の意向等を記載する必要があります。

弁護士が代理して申立てる場合は,だいたい事案の大きさによって,20万円~30万円ぐらいが通常です。
その他,本人の意思能力をチェックするために診断書が必要です。
これは,裁判所の書式によるもので,診断書の作成費用も裁判所の方から5万円~10万円ぐらいと決められています。

また,この申立書には,成年後見人の候補者を記載することができます。
親族自身や,既に知っている弁護士を候補にすることができます。

しかし,もうちょっと前は,どの弁護士も候補者にできたのですが,最近は成年後見人をできるものは,私のように裁判所の名簿に掲載されている者に限られている裁判所が多いです。
そして,本人に大きな財産がある場合には,有資格者ではない親族は就任できないし,弁護士以外の職業の者ができない場合も多いです。
本人の財産を横領する者が多いので,どんどん制度が厳しくなっているからです。

最終的には,申立人及び本人と裁判所との間の面接等があり,裁判所の裁量によって,成年後見人が選任され,成年後見が始まります。

 

3 まとめ

最初の方で説明したように,例えば契約をする際に無効になってしまうと困るから成年後見人をたてる必要がでてくるので,本人が不動産を売る等何か法的手続をしなければならない場合をきっかけとして成年後見人を立てる場合が多いです。

しかし,本人の面倒を見る者がおかしなことをできないように,いわば裏技的に成年後見人を申立てる場合も多いです。
これについては別の記事で詳しく説明したいと思います。

次回は,成年後見人がどのようなことを行うかお話したいと思います。

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