弁護士の横領に備えて 弁護士成年後見人信用保証制度

裁判所の成年後見人候補者名簿にも登載されている,新宿・青梅・あきる野・三郷の弁護士法人アズバーズ,代表弁護士の櫻井俊宏です。

このたび,弁護士の横領に備えて,弁護士成年後見人信用保証制度ができました。
この制度について,これまでの弁護士による横領について言及しつつ解説します。

 

1 弁護士成年後見人信用保証制度について

弁護士成年後見人信用保証制度とは,第三者機関が保証人となり,弁護士後見人等の不正を保証し,弁護士後見人等による横領被害が発生した場合,当該第三者機関が,保証債務の履行として被害者の被害を弁償し,その被害回復を図る制度です。

この制度の創設により,私達成年後見人候補者は,今のところ年間9900円の負担をすることになります。
この出費がない場合は,裁判所の成年後見人候補者リストに入れないのです。
私はさっそくその支払を終えました。

被害者の被害回復のためにはやむを得ない制度ではないでしょうか。

ただ,弁護士による横領は,必ずしも成年後見人の場合のみではなく,特に,いったん弁護士が相手方から回収したお金を預り金として預かった場合に横領が多く生じているので,その対策も今後考える必要があるでしょう。
ミネルヴァ法律事務所の件でも,成年後見とは関係なく,過払い金としての預り金が使われてしまっている可能性があります。
東京ミネルヴァ法律事務所の破産について気になる点3つ

 

2 弁護士による横領

前述のように,弁護士はお金を管理する機会が多いです。
唯一,紛争の相手方と交渉することができる職業として,信用性をその資格に付してもらっているから,このようなことができます。

その信用を利用して,自らのふところに入れてしまう弁護士は一体どうなっているのでしょう。

今年の2020年だけでも,早くも9件は生じており,3件以上は逮捕までされてしまっているようです。
その金額も数千万円の件もあります。
今までに多額のときは数億円ということもあったようですが,どうやら今回のミネルヴァ法律事務所の件が,最終的にそれを超えそうな勢いです。

その用途もひどいものです。
今までのものを見ていると,事務所経費に普通に充ててしまうのはもちろん多いとして,
・投資費用に充てた,
・遊興費に充てた,
・家のリフォームに充てた,
等,自分のお金と勘違いしているかのような惨憺たる内容です。

統計はとっていないですが,高齢の弁護士と,若手の弁護士に多い気がします。

高齢の場合は,もうどうせ先は長くないから欲望に走ってしまおうということでしょうか。

若手の場合は,経営がまだうまくいっていない状態でつい行ってしまう,経験値が低いことから甘い言葉をかけてくる外部の者と提携して共に行ってしまうということでしょう。

 

3 弁護士による横領の対策

まず,予防的には,弁護士に依頼をする際に,その弁護士が懲戒処分(弁護士会から戒告,業務停止等の罰を受けること)を受けている経験がないか確認することが大切です。
懲戒処分検索センターというページで検索してみましょう。
弁護士懲戒処分検索センター

1人の弁護士がやるような仕事で,初期費用の着手金が100万円を超えるような事件は,問題となるお金が億を超えるような場合でない限り,あまりありえません。
1人の弁護士に依頼する場合で,100万円以上の着手金等を提案されるようなことがあれば,普通の弁護士ではないのではないかと注意をした方が良いでしょう。

弁護士が相手方からのお金を受け取る口座は「預り口」等の預り金であることがわかる名義の口座を使うのが普通です。
また,通常口座も口座名に「弁護士」が入っていない口座を使っている弁護士は注意した方が良いでしょう。
お金の扱いがずさんである可能性があります。

いざ不当にお金をもっていかれたときは,裁判,強制執行等を行うよりほかありません。
そのような弁護士でも裁判には慣れているでしょうから,大変な戦いを強いられることになるでしょう。
弁護士に対する強制執行がうまくいった事例

ここまで述べてきたように,「弁護士」であるからと,過度な信頼を持つことは禁物かもしれません。

 

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