公正証書の「効力」~執行認諾文言とは

以前、公正証書の説明とその効力についてこちらの記事で書かせていただきましたが、今回は、公正証書を用いて強制執行をするために必要な「執行認諾文言」について解説します。

執行認諾文言がないと公正証書の合意をするについて、大事な要素が欠けてしまうので、この記事を読んで理解していただければ幸いです。

 

1 公正証書を用いて強制執行を行うための要件

公正証書を判決文のように用いて、裁判所に対して強制執行を行うためには、公正証書自体が以下の3つの要件を満たす必要があります(必ずしも法律通りの記載にはなっておりませんが、ご容赦ください)。

金銭債務の履行にかかる内容であること。
⇒例えば「平成30年9月1日までにお金を払うこと」が内容になっている必要があるということです。

強制執行の条件ないし期限が到来していること。
⇒実際に「平成30年9月1日」が到来している必要があります。

強制執行認諾文言があること。
⇒実際にできている公正証書の末尾等に、
「債務者は,本証書記載の金銭債務を履行しないときは直ちに強制執行に服する旨陳述した」
との一文がある場合に、裁判を経ずに強制執行が認められるというわけです。

公正証書作成の際、専門家に文案の作成を依頼すれば、通常は上記①と③を満たしたものとなります(これらの要件がないと公正証書にする法的意味がないからです)。

 

2 執行認諾文言がない場合の効力は?

稀に、「強制執行認諾文言」をつけずに(もしくはつけられなくとも)公正証書化を求める方がいらっしゃいます。

弁護士の立場からすれば、それをもって強制執行ができないのであればあえて費用をかけて公正証書化する必要もないと思うところですが、法的意味を離れたところでこれを重視する方もいらっしゃいます。

もちろん、強制執行ができないとはいえ、公正証書記載の内容で合意したことは事実ですから、合意があったことを裁判で立証することに資することは間違いありません。

強制執行認諾文言がないとはいえ、軽はずみな約束を公正証書化してしまうのは軽率と言わざるを得ませんので、ご注意ください。
ただ、逆も然りで、強制執行認諾文言がつけられないとしても、公証人という専門家が介入した合意書ということで裁判上役立つことはありますので、ご検討ください。

 

3 まとめ

例えば、夫婦間の問題で生活費を支払う、婚姻費用・養育費についての公正証書を作成するときは,不払いになったときに強制執行をできるようにするため、この執行認諾文言が非常に重要な意味を持つと言えます。
婚姻費用分担についての記事
養育費の新算定表に関する記事

なお,青梅市には公証役場がないようですので、公正証書作成の際には公証役場のある立川が最寄りになるようです。
立川公証役場

(2021.1.18更新)

 

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