八王子FM「アズバーズの法律問題解決応援団」(5) 詐欺被害の法律問題

弁護士法人アズバーズ,代表弁護士の櫻井俊宏です。
八王子の「FM星空ステーション 八王子FM」にて11月25日(日)18:00~18:25の「Topics cutting edge」内「アズバーズの法律問題解決応援団」コーナー第5回でお話した内容をお伝えします。

第5回 詐欺被害

積水ハウスの地面師による詐欺被害約50億円が話題となりました。凄い数字ですよね。そうでなくとも詐欺の被害というのは近年急増しています。当初は,息子を装って「俺だよ俺」って言うところから入るので「オレオレ詐欺」と言ってましたね。「振込め詐欺」と呼ばれるようになり,警察が「母さん助けて詐欺」と呼ばせようとして,定着せず失敗しました。私としては「特殊詐欺」でよいのではないかと思いますが…
というわけで,今日はこういった詐欺について取り上げたいと思います。

 

まず,振込め詐欺の特殊性は,どんどん手法が巧妙になっているところです。振込め詐欺をするために,わざわざ実際に法人を設立して,実際の実働部隊には給与を設定していたりします。実働部隊は,電話をする「かけ子」,現金を被害者から受け取る形式の場合は受取役の「受け子」,詐欺で騙し取ったお金を口座から引き出しに行く「出し子」等があります。

おのおの,かなり整ったマニュアルが作成されています。

私が国選事件で見た出し子等は,1回引き出しをするのに1万円を受け取っていました。

巨大組織による事件の場合は,総額10憶円以上という被害もざらでした。

 

学生等の若者に気をつけて欲しいのは,出し子等でも当然詐欺罪の犯罪者になってしまうということです。そして,実働の下っ端等は,地元の友人等を通じて「いいバイトあるけどやらないか。」というように誘いを受けてはじめるような場合がほとんどなので,最初は犯罪だとわからず,手を染めてしまう恐れがあるということになります。そして,一度行ってしまうと「抜けて誰かに言ったらお前も同じ犯罪者として捕まるからな。」というような感じで,抜けさせてもらえず,泥沼にはまっていくようなことが多いのです。
詐欺自体の罪がそれなりに重いので,最初はよくわからずやってしまったぐらいでも,発覚したら逮捕されることは多いです。注意しましょう。

 

また,電話をかけられた人に気をつけてもらいたいのは,複数の人間がうまく連携してやってくるような場合もあると認識して欲しいということです。

例えば,投資詐欺の場合,1人が誰もが知るような大きな投資会社を名乗って「Aという投資物件が今後凄い上がりそうなので売ってもらえないか。」という営業の電話をし,後日に,他の者が,「Aという投資物件がよいのですが,買われませんか。」と打ってくる等,演劇のように攻めてくる詐欺組織もあります。

(できれば,事前に詐欺被害を防ぐのが一番望ましいですが,起こってしまった場合に,被害金を取り返す方法の充実も待たれます。先日お話ししたように,強制執行するために,もっと銀行が口座情報の提供など,協力してくれたりすればよいのですが…)
今日の応援団の一言は「いいバイトあるよには気をつけろ。知らない人からの電話で,お金を出して欲しいという内容の電話は全て詐欺だと思え。」です。

 

 

思い出深い事件はありますか。

最初に会いに行ったときは,相手を監禁したという事件だったのですが,よくよく聞いてみると,詐欺集団で下っ端が持ち逃げしたので,それを監禁したという内容だったことがあります。

黒いお金というのは,被害にあった人間がおおやけにできないので,狙われやすいのです。この前も3800万円道端でとられたみたいのがありましたが,そのような現金を持っていることが怪しいですよね。