八王子FM「アズバーズの法律問題解決応援団」 第6回賃貸借契約について

弁護士法人アズバーズ,代表弁護士の櫻井俊宏です。
八王子の「FM星空ステーション 八王子FM」にて毎週日曜日18:00からの「Topics cutting edge」内「アズバーズの法律問題解決応援団」コーナー第6回でお話した内容をお伝えします。

第6回 賃貸借契約について 

みなさん,賃貸借契約についてはいまさら説明をする必要はないでしょう。家を借りるのを典型とした契約です。学生時代に一人暮らしをした方は,この契約を結んだこともありますね。ちなみに,土地を借りる場合も賃貸借契約と言います。

今,土地の値段が緩やかにそれなりに上がっていますが,オリンピックが近くなるころには下がってきて,その後は下がる一方だと不動産業界では言われているようです。そうなると,今後は一軒家を買うよりは,賃貸借の方がよいかもしれません。

今日は,賃貸借契約で起こりうる法的問題について説明します。

 

この賃貸借契約というのは,借地借家法という特別な法律があり,法的にはかなり借りている側の権利が強いです。しかし,以前はそのような法律もなく,昔ながらの地主や大家は,勘違いしてかなり強気な態度で借りている者に対して迫ってくるケースが往々にしてあります。

例えば,多いのは,アパートが老朽化しており建替をするから出ていってもらいたいと強硬に言ってくるようなケースです。よっぽどボロボロになっていて建替の必要があっても,通常は,大なり小なり立退料の支払いをしなければ追い出すことはできません。裁判をやったとしても,裁判所は,一定程度の立退料を認め,それと引き換えに明渡を認める判決が出ることになります。

また,家賃相場が上がったからといって,賃料の増額等を押し付けてくるケースもあります。これも,大家が,証拠の残る書留や内容証明郵便等の文書で賃料増額の要求を送り,裁判所の賃料増額の調停や訴訟というものを経て,はじめて増額分の賃料を受け取ることができるのであり,一方的に家賃を上げると口頭で伝えただけでは効力はありません。

 

もし,賃料を2,3月滞納している場合は,賃貸借契約を解除して,明渡を請求していくことは当然できます。しかし,この場合も,例えば,住んでいる人がいない間に勝手に鍵を変えてしまう等の行為は法的には許されません。勝手にやってしまうと,住居侵入罪や器物損壊罪等の犯罪が成立してしまうことも考えられます。

面倒かとは思いますが,1週間以内に賃料の支払いがない場合は賃貸借契約を解除して明渡の裁判をするという内容証明郵便を出して,それでも賃料の支払いや明渡がない場合は裁判を起こす,裁判で判決をもらっても住んでいる者が出ていかなければ裁判所を通した強制執行を起こす必要があります。強制執行は,普通のアパートの部屋でも,弁護士費用,荷物を撤去する業者に費用等,全て合わせるとなんと100万円ぐらいかかるので注意が必要です。

裁判所を通した強制執行の手続の当日になって,実際の場所に執行官と一緒に行っても「飼っている猫が捕まらないから今日は中止にして欲しい。」と粘ろうとする人もいました。

このように,賃貸借契約は,とんでもない人から借りたり,とんでもない人に貸したりすると,生活と密接に関係するだけに注意が必要です。貸す時点でしっかりとした検討をすべきでしょう。

 

今日の応援団の一言は,「賃貸借契約を結ぶときは,相手方が信頼できる人かどうかよく見極めよう。」です。