交通事故と後遺障害 【序・5】症状固定とは?

【本稿の趣旨】
・症状固定とは,これ以上治療を続けても効果が出ない状態をいう。
・症状固定後の治療費は原則として加害者に請求できない。
・症状固定診断の後,後遺障害認定申請を行っていくことができる。

事故後しばらく治療を継続していると,完治することもあれば,あるときを境にこれ以上治療の効果があがらない状態になることがあります。この状態を「症状固定」といいます。

症状固定か否かを診断するのは医師です。むち打ちなどの神経症状の場合は,痛みが続いていても概ね3~~6ヶ月程度で症状固定の診断がされることが多くなっていますが,それ以外の多くの症状の場合は客観的な資料から判断されることになります。

症状固定の状態になったということは,それ以上の治療が医学的な意味を持たない=症状固定後の治療は意味がない=事故との因果関係がない,ということを意味します(厳密には少し違いますが)。
したがって,症状固定後に痛みがあるからと言って治療を継続しても,加害者側は原則としてその分の治療費を支払う義務はなくなります。また,通院の因果関係も否定されますから,症状固定後の通院によっては慰謝料も増額しません。

また,症状固定により,事故によって生じた損害が客観的に確定することになります。そのため,症状固定をもって,後遺障害(後遺症)があるか否かの判断ができることとなりますので,このとき以降,後遺障害認定申請の手続きを行っていくことになります。

むち打ち症の場合,他覚的所見(=CT等画像)での異常がないため,医師によっては早期に症状固定の診断をすることがあります。しかし,詳細は別の記事に任せますが,この対応には被害者側としては看過できない問題があります。

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