インスタのパクリ 偽ブランド品の販売 【著作権等を弁護士が解説】

新宿・青梅・三郷の法律事務所弁護士法人アズバーズ,代表弁護士の櫻井俊宏です。

幻冬舎ゴールドオンラインの記事で,著作権と商標権についての記事を書いたところ,200万PVという好評をいただきました。
表題になるように,特に女性の方が,インスタグラム等の文章のパクリや,偽ブランド品の販売等に鈍感な場合を良くみます。
著作権・商標権等の知的財産法違反は犯罪にすらなりえます。

注意を喚起するために,著作権と商標権について解説します。
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1 著作権とは

著作権や特許権,商標権等の人間の知的活動から生まれた成果について創作者に与えられる権利を知的財産権といいます。

著作権とは、知的財産権のうちのひとつであり、文化的創作についてほかの人に使われない権利(「排他的支配権」ともいいます)を与えられる権利です。

商標権のような工業的な権利とは違い、小説や絵画をはじめとした文化的な活動に与えられています。

著作権は、基本的に商標権や特許権とは違い、登録等をしなくても創作されたときに権利が発生します。

例えば,Instagramの文章だけでも,著作権が発生しているといえます(もっとも著作権は「思想又は感情を創作的に表現したもの」(著作権法2条)でなくてはならず,一定の創作的なレベルに達していなければ発生しません)。

ここで問題となるのは,「キャラクター」というものに著作権が発生するかどうかです。

 

 

2 キャラクターの著作権

最高裁平成9年7月17日判決のポパイネクタイ事件は,
「キャラクターといわれるものは漫画の具体的表現から昇華した登場人物の人格ともいうべき抽象的概念であって,具体的表現そのものではなく,それ自体が思想又は感情を創作的に表現したものということができない」
として,キャラクター自体に著作権が生じないことを原則としています。
しかし,この件においても,個々の絵については著作権侵害が成立しうることが述べられています。

だとすると,キャラクターをパクられた場合であっても,そのキャラクター性で著作権侵害を主張するのではなく、個々の「絵画」(著作権法10条1項4号)に関する美術の著作権を検討することになります。
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3 絵画の著作権侵害

キャラクターの絵画が似ている場合,著作権侵害かどうかをどのように判断すれば良いのでしょうか。

微妙に変えてあるパクリの場合,いわゆるコピーペーストである「複製」という侵害方法ではありません。

このように本来のものに少し変化を加えてパクることを「翻案」(著作権法27条)といいます。

著作権侵害としての「翻案」にあたるかは
「創作的な表現部分に変更が加えられており」
「表現上の本質的部分の同一性が維持されていて」
「これに接する者がもとの著作物の表現上の本質的特徴を直接感得できるか」
どうかで判断されます。

例えば猫のキャラクターの色が違い,口の形も違ったとしても,造形がほぼ一緒であるのなら,本質的な部分は一緒といえる可能性はあります。
しかし,前述のように,キャラクターそのものではなく「絵」として判断するので,侵害とするためには特定の絵のポーズや背景等もほぼ一緒のものである必要があるでしょう。

 

4 商標権とは

知的財産権のなかで,商品またはサービスについて使用する商標に与えられる排他的支配権を「商標権」といいます。
すなわち,商品の絵柄や名称について,独占的に使用できる権利です。

この商標権は著作権等と違って登録制となっています。
そこで,ある商品の名称等について違法となるのではないかという疑いがある場合,まずは,商標として登録されているかどうかを調べることになります。 特許庁のページで見ることが可能です(特許情報プラットフォーム:https://www.j-platpat.inpit.go.jp/)。

本件のブランド会社と同じロゴを使っているシール等を売ったりすれば,商標権侵害の可能性が高いです。

商標権も著作権も,侵害者に対して民事上損害賠償請求ができるのはもちろんのこと,犯罪が成立して逮捕されたり,起訴されたりする場合もあるので、注意が必要です(著作権法119条以下、商標法78条以下)。

 

5 最後に

知的財産権にまつわる事例では,軽い気持ちで他人のものを利用している場合が意外に多いです。

特に高級ブランドを真似する場合などは,会社側はそのブランド力で多大な利益を得ているのであり、知的財産権侵害を重大なものと考えています。


このことから,思いもよらず逮捕されたり,高額の賠償請求をされたりすることも十分ありえます。

軽々しく考えるのはやめましょう。
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