「3年目の不倫」〜不貞慰謝料物語①〜

(この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり,実在のものとは関係ありません。)

今年の春で31になりました。

夫と知り合ったのは職場です。互いに惹かれ合い,どちらからということもなく交際に発展し,ごく自然なかたちで結婚に至りました。
結婚後ほどなくして子宝にも恵まれ,一児の母となった私は,仕事を辞め,家事・育児に励んできました。慣れない育児に夫婦喧嘩が絶えない時期もありましたが,夫は協力的でした。私は幸せでした。

夫の帰りが遅くなったのは,昨年の夏頃だと記憶しております。それまで仕事が終わると直ぐに帰宅していた夫ですが,飲み会が急に増え,日をまたいで帰宅することもありました。
ついには,夫は無断外泊をするようになりました。
私が夫の浮気を疑い始めたのはこの頃です。

「携帯を見ても幸せはない」といいますが,その通りでした。
夫のスマホのラインには,知らない女性との親密なやり取りがありました。
血の気が引きました。

夫は浮気をしている。

疑いが確信に変わりました。
夫のスマホを持った私の右手は,いつまでも震えが止まりませんでした。

翌朝,私は努めて普段どおりに振る舞いました。普段どおり朝食を済ませた夫は,普段どおり会社に向かいました。
息子を送る幼稚園までの道すがら,見慣れた景色が灰色に見えました。

(©️不倫問題に定評のある弁護士斎藤純一)